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ドル・コスト平均法、バリュー投資、グロース投資とは? 初心者が知っておきたい代表的な投資手法

投資 Jun 08, 2026

はじめに:投資を始める前に「手法」を知ることの大切さ

「投資をしてみたいけれど、何から始めればよいかわからない」
そんな悩みを持つ中高年の方は、決して少なくありません。
株式や投資信託など、投資対象を選ぶことと同じくらい重要なのが、「どのような方法・考え方で投資するか」、つまり投資手法を理解することです。

今回は、投資初心者の方が最初に知っておきたい代表的な3つの投資手法
・ドル・コスト平均法
・バリュー投資
・グロース投資
についてわかりやすく紹介いたします。

それぞれの特徴とメリット・デメリットを正しく理解したうえで、自分に合ったスタイルを見つけるヒントにしてください。


① ドル・コスト平均法:「タイミングを読まずに、コツコツ続ける」方法

ドル・コスト平均法とは何か?
ドル・コスト平均法とは、価格が変動する金融商品を、一定の金額で・定期的に・継続して購入し続ける投資手法です。
たとえば「毎月1万円分の投資信託を購入する」といった形がこれにあたります。

この手法の最大の特徴は、購入する口数(量)が価格に応じて自動的に変わる点にあります。価格が安いときには多く買え、価格が高いときには少ししか買えません。この仕組みにより、結果として平均購入単価が平準化(ならされる)されやすい効果が生まれます。

たとえば毎月1万円を投資する場合、価格が1,000円のときは10口、500円のときは20口、2,000円のときは5口を購入します。3ヵ月で合計3万円・35口を購入した場合、平均購入単価は1口あたり約857円となり、単純な価格の平均(1,167円)よりも低く抑えられます。

<メリットと注意点>
最大のメリットは、「いつ買えばよいか」を考えなくてよい点です。相場の動きを予測することは専門家でも難しいとされています。感情に左右されず機械的に購入を続けられるため、投資初心者にも取り組みやすい手法です。
少額から始められることも大きな利点で、新NISA(少額投資非課税制度)のつみたて投資枠でもこの考え方が活かされています。

一方で、価格が長期間下落し続ける場合は損失が拡大するリスクがあります。また、価格が右肩上がりの局面では一括投資のほうが高いリターンになることもあります。あくまで長期・分散を前提とした手法であることを念頭に置いておくことが大切です。


② バリュー投資:「割安な企業」を見つけて購入する方法

バリュー投資とは何か?
バリュー投資とは、企業の本来の価値(内在価値)と比べて、株価が割安になっている銘柄を見つけて投資する手法です。
「1,000円の価値があるものが600円で売られている」状況を探し、本来の価値に戻ったときに利益を得ることを目指します。

バリュー投資は、米国の経済学者・投資家であるベンジャミン・グレアム氏が体系化した投資哲学です。「バリュー投資の父」とも呼ばれるグレアム氏の考えを受け継ぎ、その弟子にあたる世界的投資家ウォーレン・バフェット氏が「価値ある企業を適切な価格で買い、長期的に保有する」という実践を通じて世界中に広めました。この師弟の哲学は、バリュー投資の本質を今日も示し続けています。

<割安かどうかを判断する主な指標>
バリュー投資では主に次の2つの指標が使われます。

⚫︎PER(株価収益率)
株価が1株あたり利益の何倍で取引されているかを示し、同業他社と比較してPERが低いほど割安とみなされる傾向があります。

⚫︎PBR(株価純資産倍率)
株価が1株あたり純資産の何倍かを示す指標で、PBRが1倍を下回る場合、理論上は「解散価値」よりも安く買える状態とされています。

これらの指標は、「Yahoo!ファイナンス」や「株探(かぶたん)」などの無料サイト、または証券会社の銘柄詳細ページで確認できます。

<メリットと注意点>
バリュー投資は事業基盤が安定した企業を対象とすることが多いため、比較的リスクを抑えながら投資できる特徴があります。配当利回りが高い銘柄を選ぶことで定期的な配当収入(インカムゲイン)を得られる可能性もあり、資産活用の観点から中高年の方との相性がよい場合があります。

一方で、「割安に見えても実は業績不振が原因で株価が低迷している」いわゆる割安の罠(バリュートラップ)に陥るリスクがあります。また、株価が本来の価値に戻るまでに長い年月がかかることもあり、忍耐力が必要な手法です。


③ グロース投資:「成長する企業」に期待して投資する方法

グロース投資とは何か?
グロース投資とは、将来的に高い成長が期待できる企業(グロース株)に投資する手法です。
現時点での利益や資産よりも「これから大きく伸びていく可能性」を重視して銘柄を選びます。
AIや半導体、バイオテクノロジー、クリーンエネルギーなどの分野がグロース株の代表例として挙げられます。

<グロース投資の判断に使われる主な指標>
バリュー投資にPER・PBRという指標があるように、グロース投資にも成長性や収益力を測る独自の指標があります。

まずEPS成長率(1株あたり純利益の成長率)は、企業の利益がどれだけのペースで伸びているかを示します。
継続的にEPSが上昇している企業は、利益を着実に積み上げている成長企業の証とされます。

次にPEGレシオは、グロース投資を代表する総合指標です。
バリュー投資のPERだけでは、成長企業の「高いPER」が割高なのか正当なのかを判断できません。
そこでPERをEPS成長率で割ることで、成長性を加味した評価ができます。

PEGレシオ = PER ÷ EPS成長率(%)

一般的な目安として、1倍以下であれば成長性に対して株価が割安、2倍以上は割高の可能性が大きいとされています(野村證券)。なお、1〜2倍の範囲を「投資妙味あり」と解説する情報源もあり、目安の一つとして参考にできます。

そのほかにも、ROE(自己資本利益率)は株主から預かった資本でどれだけ効率よく利益を生み出しているかを示し、高いほど資本効率の良い成長企業とみなされます。売上高成長率は、まだ利益が出ていない段階の企業や赤字の成長企業を評価する際に特に重視されます。
さらにPSR(株価売上高倍率)は、時価総額を年間売上高で割った指標で、赤字企業の割高・割安を売上で代替的に評価する際に活用されます。

EPS成長率やROEなどの数値は「Yahoo!ファイナンス」や「株探(かぶたん)」などの無料サイトで調べられます。
PEGレシオはそれらの数値をもとに計算して求めます。

<メリットと注意点>
グロース投資の最大の魅力は、大きなキャピタルゲイン(値上がり益)を狙える可能性がある点です。一方で、将来の成長への期待が株価に先行して反映されているため、高値づかみになるリスクがあります。業績が市場の期待を下回った場合には株価が急落することもあり、値動きの大きさ(ボラティリティ)がバリュー株より高い傾向があります。大きなリスクを取りにくい中高年の方は特に注意が必要です。


3つの手法を整理する

3つの手法をあらためて比較すると、それぞれの方向性が異なることがわかります。
ドル・コスト平均法は「いつ・どのように購入するか」というアプローチであり、バリュー投資とグロース投資は「どの企業の株を選ぶか」という銘柄選択の考え方です。またバリュー投資は「現在の割安さ」を、グロース投資は「将来の伸びしろ」を指標で測る点が大きな違いです。

これらは組み合わせることも可能で、たとえば「割安株をドル・コスト平均法で積み立てる」といった応用もできます。
特定の手法だけが正解ではなく、自分のリスク許容度・投資期間・資産状況に合わせて選ぶことが重要です。


まとめ

今回ご紹介した3つの投資手法を振り返ります。

⚫︎「ドル・コスト平均法」
一定金額を定期的に購入することで相場の波に左右されにくくする手法で、長期的な資産形成を目指す方に向いています。

⚫︎「バリュー投資」
PER・PBRなどの指標を使って割安な企業を探す手法で、安定性や配当収入を重視する方に適している傾向があります。

⚫︎「グロース投資」
PEGレシオやEPS成長率などで成長性を見極め、将来の大きなリターンを狙う手法ですが、価格変動が大きく、リスク管理が特に重要です。

中高年の方が資産形成を考える際には、まず自分がどれくらいのリスクを取れるか、いつまでにどれくらいの資産が必要かを整理することが先決です。
一つの手法に固執せず、分散投資の観点を大切にしながら、焦らずコツコツと向き合うことが長続きのコツといえるでしょう。


【注意事項】
・本記事は、投資に関する一般的な知識・情報の提供を目的としたものであり、特定の金融商品・銘柄への投資を勧誘・推奨するものではありません。
・投資にはリスクが伴い、元本が保証されるものではありません。株式・投資信託などの金融商品は、価格の変動や発行体の信用状況の変化等により、投資元本を下回ることがあります。実際の投資判断はご自身の責任において行われるようお願いいたします。また、投資を始める際は、金融機関や資格を持つファイナンシャルプランナーなどの専門家にご相談されることをお勧めします。
・本記事の情報は執筆時点のものであり、今後変更となる場合があります。
・税制・制度の詳細については、金融庁や国税庁の公式サイト等でご確認ください。


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