花粉症対策の新常識、実は逆効果だった3つの習慣
Mar 06, 2026
春の訪れとともに、多くの方を悩ませる花粉症。
マスクや薬を使って対策をしているつもりでも、なぜか症状が軽くならない……
そんな経験はありませんか?
実は、良かれと思って続けている習慣が、かえって花粉症の症状を悪化させている可能性があります。
今回は、意外と知られていない「逆効果な花粉症対策」と特に注意すべきポイントをご紹介します。

まず知っておきたい、花粉症の現状
環境省が実施した全国調査によると、2019年時点で日本人の42.5%が花粉症に悩んでいます。10年前の2008年には29.8%でしたから、約10年間で12%以上も増加したことになります。
年齢別に見ると、10代から50代では45%以上で、年代別に見ると40代で約48%程度、50代で約47%程度、60代で約38%程度と高い有病率が見られ、60代でも比較的高い割合の方が花粉症の症状を抱えています。「年をとると花粉症にならない」という話を聞くこともありますが、これは誤解です。むしろ、長年花粉にさらされ続けることで、60代以降に初めて発症するケースも約3割に上るとの調査結果もあります。

【逆効果な習慣①】衣類の花粉を手で払うだけで安心する
外出先から帰宅したとき、玄関先で衣類をパンパンと叩いて花粉を落としていませんか? 実はこの方法、あまり効果的ではありません。
花粉は非常に細かく、スギ花粉の大きさは直径約30マイクロメートル(0.03ミリメートル)です。手で払っただけでは、繊維の奥に入り込んだ花粉は落ちにくく、逆に舞い上げて吸い込んでしまう可能性もあります。
<改善策>
・衣類用の粘着ローラー(コロコロ)で優しく転がして花粉を取り除く
・花粉が付着しにくい、表面がツルツルした素材の上着を選ぶ
・帰宅後はすぐに着替えて、衣類は洗濯かごへ入れる
環境省のマニュアルでも、外出時の服装は花粉が付着しにくいものを選び、帰宅時には家の中に花粉を持ちこまないようにすることが推奨されています。

【逆効果な習慣②】鼻うがいを冷たい水道水で行う
鼻の中の花粉を洗い流す「鼻うがい」は、花粉症対策として有効な方法です。しかし、やり方を間違えると鼻の粘膜を傷つけたり、かえって不快感が増したりすることがあります。
特に注意したいのが、冷たい水道水をそのまま使うことです。鼻の粘膜は非常にデリケートで、冷たい水や体液と浸透圧が異なる水は刺激が強すぎます。鼻にツーンとした痛みを感じたり、粘膜を傷つけて炎症を悪化させる可能性もあります。
<改善策>
・人肌程度(35〜37度)に温めた生理食塩水を使用する
・市販の鼻うがい専用キットを活用する
・1日2回程度(朝・晩)に留め、やりすぎない
また、水道水には塩素などが含まれているため、できれば一度煮沸してから冷ました水や、精製水の使用が推奨されます。

【逆効果な習慣③】花粉症シーズンに夜更かしや飲酒を続ける
「花粉症の症状は薬でコントロールできるから、生活習慣は関係ない」と考えていませんか? 実は、睡眠不足やアルコールの摂取は、花粉症の症状を悪化させる大きな要因です。
ウェザーニュースが専門医に取材した記事によると、睡眠不足や夜更かしは自律神経の乱れを引き起こし、鼻の粘膜にも影響を与えます。自律神経のバランスが崩れると、くしゃみ、鼻水、鼻づまりなどの症状が悪化しやすくなります。
また、アルコールには血管を拡張させる作用があるため、鼻づまりが悪化することが知られています。さらに喫煙や受動喫煙も、鼻の粘膜を刺激して症状を悪化させる原因となります。
<改善策>
・1日7〜8時間の質の良い睡眠を心がける
・花粉症シーズンはアルコールを控えめにする
・禁煙し、受動喫煙も避ける
・適度な運動で自律神経のバランスを整える
・バランスの良い食事で免疫機能を保つ
環境省の「花粉症環境保健マニュアル2022」でも、「睡眠をよくとること、規則正しい生活習慣を身につけることなどは正常な免疫機能を保つために重要」と明記されています。

50代以降の方が特に注意すべきポイント
中高年層の花粉症には、若い世代とは異なる注意点があります。
鼻づまりによる口呼吸に注意
鼻づまりがひどくなると、つい口で呼吸をしてしまいます。しかし、口呼吸を続けると風邪やインフルエンザなどの感染症にかかりやすくなります。鼻にはウイルスや細菌をろ過する機能がありますが、口にはその機能がないためです。症状がひどい場合は、我慢せずに早めに医療機関を受診しましょう。
薬の飲み合わせの確認
高血圧や糖尿病などで既に薬を服用している方は、花粉症の薬との飲み合わせに注意が必要です。花粉症の治療を始める際は、必ず医師や薬剤師に現在服用している薬を伝えましょう。
くしゃみによる転倒や腰痛のリスク
激しいくしゃみは想像以上に体に負担をかけます。歩行中や階段でくしゃみが出ると転倒の危険性がありますし、急激な腹圧の上昇でぎっくり腰を起こすこともあります。くしゃみが出そうなときは、できるだけ立ち止まり、手すりや壁につかまるようにしましょう。

基本的な花粉症対策を再確認
最後に、基本的な花粉症対策を確認しておきましょう。
<外出時の対策>
・顔にフィットするマスクを着用する
・花粉症用メガネで目への花粉の侵入を約65%カット
・帽子や花粉が付着しにくい素材の上着を着る
・花粉の多い時間帯(昼前後と夕方)の外出を避ける
<室内での対策>
・洗濯物は室内干しにする
・換気は早朝か夜間に短時間で行う
・空気清浄機を活用する
・こまめな掃除(掃除機の前に濡れた雑巾やモップで拭く)

早めの治療開始
花粉が飛散する2週間ほど前から治療を始める「初期療法」は、症状を軽くし、薬の使用量を減らす効果があります。
2026年の春は、東日本・北日本を中心に例年より花粉の飛散量が多いと予測されています。
毎年花粉症に悩まされている方は、早めにかかりつけ医に相談することをおすすめします。
まとめ
花粉症対策は、正しい知識に基づいて行うことが大切です。
「良かれ」と思って続けている習慣が、実は逆効果だったということもあります。
・衣類の花粉は手で払うのではなく、粘着ローラーで取り除く
・鼻うがいは人肌程度の生理食塩水で行う
・睡眠不足や飲酒を避け、生活習慣を整える
これらの対策を実践することで、つらい花粉症の症状を和らげることができます。
症状が長引いたり、日常生活に支障が出る場合は、我慢せずに医療機関を受診しましょう。
正しい知識と適切な対策で、春の季節を少しでも快適に過ごせるよう願っています。
【注意事項】
本記事は2026年2月時点の情報に基づく一般的な情報提供を目的としており、特定の治療法や医薬品の使用を推奨するものではありません。
花粉症の症状がある場合は、医療機関を受診し、医師の診断と指導に従ってください。
<健康シリーズ 前回の記事>
睡眠と免疫の深い関係 — 質の良い睡眠で体を守るコツ
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