体温1℃で基礎代謝13%UP ─ 今日から始める1分体温習慣
Jan 30, 2026
冬の朝、布団から出るのがつらい。
手足が冷えてなかなか眠れない。
そんな経験はありませんか?
実は、多くの中高年が抱える「冷え」の悩みは、体温と深く関係しています。
体温が低いと体調不良の原因になり、疲れやすさにもつながります。
今回は、たった1分でできる「体温を上げる運動」をご紹介します。
特別な器具も広いスペースも必要ありません。
今日から始められる簡単な方法で、寒さに負けない体をつくりましょう。

体温と健康の深い関係
体温と健康には密接な関係があることが、近年の研究で明らかになっています。
国立生理学研究所の研究によると、体温が上がることで免疫を担う細胞「マクロファージ」が活発になることが明らかになっています。この研究では、温度センサーであるTRPM2(トリップ・エムツー)というタンパク質が、体温を感じてマクロファージの働きを調節する仕組みが解明されました。
また、体温とウイルス感染に関する興味深い研究があります。米国科学アカデミー紀要(PNAS)に発表された研究では、風邪ウイルスを33℃と37℃で上皮細胞に感染させる実験を行ったところ、33℃では37℃より約100倍多くのウイルスが増殖することが確認されました。これは、低い温度では細胞が産生する抗ウイルス因子「インターフェロン」の量が減少するためです。つまり、体温を適切に保つことは、病気から身を守る重要な要素なのです。
健康な人の平熱は個人差がありますが、一般的に36.0~37.0℃程度とされています。
近年は36℃未満の「低体温」の方が増えています。
特に中高年になると、筋肉量の減少や基礎代謝の低下により、体温が下がりやすくなります。

なぜ運動が体温を上げるのか?
体内で多くの熱を生み出すのは「筋肉」です。
私たちが1日に消費するエネルギーは、大きく3つに分けられます。
- 基礎代謝(約60%):何もしていない時でも、呼吸や心拍、体温維持などに使われるエネルギー
- 身体活動(約30%):運動や日常生活の動作で使われるエネルギー
- 食事誘発性熱産生(約10%):食事の消化・吸収で使われるエネルギー
この基礎代謝のうち、筋肉が占める割合は約20~22%です。
脳が約20%、肝臓が約21%と、実は様々な臓器がエネルギーを消費しています。
さらに、体温が1℃上がると基礎代謝は約12~13%上昇します。
これは、体温を上げることで、何もしていない時でもエネルギーを消費しやすい体になるということです。
つまり、運動によって筋肉を動かすことは、
- 即効性:運動中に筋肉が熱を生み出す
- 持続性:筋肉量が増えることで基礎代謝が上がり、日常的に体温が上がりやすくなる
という二重の効果があるのです。

たった1分!座ったままできる「体温アップ体操」3選
それでは、実際に体温を上げる運動をご紹介します。
テレビを見ながら、家事の合間に、いつでもどこでもできる簡単な方法です。
【1】腰ひねり体操(20秒)
椅子に座って行います。
1. 背筋を伸ばして椅子に座ります
2. 両手を胸の前で軽く組みます
3. 下半身は動かさず、上半身だけをゆっくり右にひねります(3秒キープ)
4. 正面に戻り、次は左にひねります(3秒キープ)
5. 左右交互に3回ずつ繰り返します
ポイント
- 顔も一緒にひねって、後ろを見るようなイメージで
- お腹周りの筋肉が動いているのを意識しましょう
- 無理に大きくひねる必要はありません。痛みを感じない範囲で
- 呼吸は止めず、ひねる時に息を吐くと効果的です
この運動は、お腹周りの筋肉を刺激し、内臓の血流を促進します。
体幹部分を動かすことで、体の中心から温まりやすくなります。
また、腰回りの筋肉をほぐすことで、腰痛予防にも効果的です。
【2】太もも上げ下げ体操(20秒)
椅子に座って行います。
1. 背筋を伸ばして椅子に座ります
2. 両手を太ももの上に軽く置きます
3. 片方の太ももを手で押さえながら、太ももを持ち上げようと力を入れます(5秒キープ)
4. 反対側も同様に行います(5秒キープ)
5. 左右交互に2回ずつ繰り返します
ポイント
- 太ももは実際に上がらなくてもOK。筋肉に力を入れることが大切です
- 「手で押さえる」vs「太ももで持ち上げる」の押し合いをイメージ
- 息を止めず、自然に呼吸しながら行いましょう
この運動は「アイソメトリック運動」と呼ばれ、関節を動かさずに筋肉に力を入れることで、安全に筋肉を刺激できます。太ももは体の中で最も大きな筋肉群なので、ここを動かすことで効率的に熱を生み出せます。
下半身には全身の筋肉の約60~70%(男性で約60%、女性で約70%)が集中しているため、この部分を動かすことは体温アップに非常に効果的です。

【3】肩上げ下げ体操(20秒)
椅子に座ったまま、または立った状態で行います。
1. 背筋を伸ばし、両腕を自然に下ろします
2. 両肩を耳に近づけるようにぐっと上げます(3秒キープ)
3. 一気に力を抜いて、ストンと肩を落とします
4. このリズムを20秒間繰り返します(5回程度)
ポイント
- 肩を上げる時は、できるだけ高く上げましょう
- 下ろす時は一気に力を抜いて、ストンと落とすのがコツ
- 肩や首周りの緊張がほぐれるのを感じましょう
- 顔の力も抜いて、リラックスして行います
肩周りには僧帽筋という大きな筋肉があり、ここが緊張していると血流が悪くなります。
この運動で肩や首周りの筋肉をほぐすことで、上半身の血流が改善され、肩こりの予防・改善にもつながります。また、緊張をほぐすことで、体全体がリラックスし、温まりやすくなります。![]()
3つの体操を組み合わせて1分間
【1】腰ひねり体操(20秒)
↓
【2】太もも押し合い体操(20秒)
↓
【3】肩上げ下げ体操(20秒)
この順番で行えば、ちょうど1分間。
体幹→下半身→上半身と、全身をバランスよく動かせます。
慣れてきたら、それぞれの時間を延ばしたり、1日に何回か繰り返したりしてみましょう。
運動を習慣化するコツ
たった1分の運動でも、続けることが大切です。習慣化のためのコツをご紹介します。
⚫︎タイミングを決める
「朝起きたら」「テレビのCM中に」「お風呂に入る前に」など、日常の行動とセットにすると忘れにくくなります。
⚫︎無理をしない
体調が優れない日は休んでも大丈夫。「やらなければ」というプレッシャーを感じると、かえって続きにくくなります。
⚫︎少しずつ増やす
慣れてきたら、1分を2分、3分と少しずつ時間を延ばしてみましょう。
または、朝・昼・晩と回数を増やすのもおすすめです。
運動以外の体温アップのポイント
運動と合わせて、以下の点にも気をつけるとより効果的です。
⚫︎温かい飲み物を摂る
白湯や生姜湯など、体を内側から温める飲み物を積極的に摂りましょう。
冷たい飲み物は体を冷やすので、冬場は控えめに。
⚫︎入浴で体を温める
38~40℃のぬるめのお湯に、15~20分程度ゆっくり浸かりましょう。
体の芯から温まり、血行が促進されます。
⚫︎重ね着で調節
外出時は、脱ぎ着しやすい重ね着がおすすめ。
特に首・手首・足首の「三首」を温めると、効率的に体温を保てます。
⚫︎十分な睡眠
睡眠不足は体温調節機能を低下させます。質の良い睡眠を心がけましょう。

体温調節の特徴
年齢を重ねると、体温調節機能が若い頃とは変わってきます。
- 暑さ寒さを感じにくくなる
- 汗をかきにくくなる
- 熱を作る筋肉量が減少する
だからこそ、意識的に体を動かし、体温を維持する習慣が大切なのです。
まとめ
今日から始める1分習慣で体温を上げることは、健康的な体づくり、そして快適な日常生活につながります。
今回ご紹介した「1分体操」は、
- 特別な器具が不要
- 場所を選ばない
- いつでもできる
- 体への負担が少ない
という、中高年の方にぴったりの運動です。
まずは1日1回、1分だけ試してみてください。続けることで、「冷えにくくなった」「体が軽くなった」という変化を実感できるはずです。
体温と健康の関係については、まだ解明されていないことも多くありますが、適度な運動が血流を促進し、筋肉量を維持することで、健康的な生活につながることは科学的に認められています。
寒い冬も、1分の運動習慣で元気に乗り切りましょう!
※冬だけに限らず通年行うことで、より健康維持に役立ちます。
【注意事項】
- 持病のある方、膝や腰に痛みがある方は、始める前に医師に相談してください
- 運動中に痛みやめまいを感じたら、すぐに中止してください
- 無理のない範囲で、ご自身のペースで行ってください
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