私は、確定申告が必要?不要? ─ 株式投資・初心者が知っておきたい税金の基本
Feb 04, 2026
※初回公開版に誤解を招く表現がありましたため、2026年2月4日に記事内容を修正いたしました。
既にご覧いただいた方には大変申し訳ございませんが、最新版を再度ご確認くださいますようお願い申し上げます。
【本記事の対象範囲】
本記事では、株式投資および投資信託を例に、税金や確定申告の基本的な考え方について触れています。
なお、確定申告の要否や申告内容は、ご自身の収入状況やご家庭の状況等によって異なります。
本記事の内容にかかわらず、具体的な判断については税務署または税理士へご相談ください。
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投資で利益が出たとき、
「税金はどうなるの?」
「確定申告は必要?」と不安に思う方も多いのではないでしょうか。
この記事では、株式投資や投資信託にかかる税金の基礎と確定申告について、初心者の方にもわかりやすくご紹介します。

投資の利益にかかる税金の基本
東京証券取引所などに上場している株式や投資信託で得られる利益は、2種類あります。
「売却益」と「配当利益」です。
各利益毎の税金に対する考え方は以下の通りです。
1. 売却益(キャピタルゲイン)
所得分類上は「上場株式等の譲渡所得」に該当します。
【課税方式】申告分離課税
【税率】 20.315%(所得税15.315%、住民税5%)
【計算式】 売却価格 − 購入価格 − 手数料 = 譲渡益
国税庁 株式等を譲渡したときの課税(申告分離課税)
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1463.htm
2. 配当利益(インカムゲイン)
所得分類上は「上場株式等の配当所得」に該当します。
【課税方式】申告分離課税
【税率】 20.315%(所得税15.315%、住民税5%)
【徴収方法】源泉徴収
国税庁 配当金を受け取ったとき(配当所得)
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1330.htm
※但し、上場株式等の配当所得は、原則として約20%の税金が差し引かれて支払われますが、確定申告を行うことで「総合課税」を選択することもできます。
総合課税を選択すると、給与など他の所得と合算して税額を計算し直すことになり、「配当控除」が適用される場合があります。
所得税率が低い方では、配当金にかかる実質的な税負担が軽くなるケースもあります。
⚠️ 重要なポイント
譲渡所得と配当所得は、税率が同じ20.315%でも「所得分類」が異なります。
そのため、以下の点で取り扱いが全く異なります。
・確定申告の要否
・損益通算の可否
・税額控除(配当控除)の適用
・総合課税の選択可否
税務に関する具体的な判断は、必ず税務署または税理士にご相談ください。
確定申告は利益が出たときに必要?損失が出たときは?
基本的な考え方
⚫︎利益が出たとき
税金を納める義務が発生するため、確定申告が必要になる場合があります。
ただし、証券会社の口座タイプによっては申告不要です。
⚫︎損失が出たとき
税金を納める必要がないため、確定申告は義務ではありません。
ただし、確定申告をすることで税金を取り戻せたり、翌年以降の税金を減らせることがあります。

口座タイプ別:確定申告の要否
証券会社で口座を開設する際、以下のタイプから選びます。
1) NISA口座(新NISA・旧NISA)
利益が非課税になる特別な口座。1人1口座のみ開設可能。
⚫︎利益が出ても:確定申告不要(非課税のため)
⚫︎損失が出ても:確定申告不要(そもそも非課税なので申告のメリットなし)
2) 特定口座(源泉徴収あり)
証券会社が税金の計算・納税を自動で行ってくれる口座。
確定申告不要で手間がかからない。
⚫︎利益が出ても:確定申告不要(証券会社が自動で税金を納付)
⚫︎損失が出たとき:確定申告は任意(複数口座の損益通算や繰越控除をしたい場合は申告すると有利)
3) 特定口座(源泉徴収なし)
証券会社が損益計算はしてくれるが、納税は自分で行う口座。確定申告が必要。
⚫︎利益が出たとき:確定申告必要
ただし、給与所得者で給与以外の所得が年間20万円以下なら申告不要
⚫︎損失が出たとき:確定申告は任意(繰越控除を受けたい場合は申告)
4) 一般口座
損益計算も納税もすべて自分で行う口座。確定申告が必要で手間がかかる。
⚫︎利益が出たとき:確定申告必要
ただし、給与所得者で給与以外の所得が年間20万円以下なら申告不要
⚫︎損失が出たとき:確定申告は任意(繰越控除を受けたい場合は申告)
損失が出たときに確定申告をするメリット
複数の証券会社で取引していて損益通算をしたい場合や、損失を繰り越したい場合、配当所得について総合課税を選択したい場合は、確定申告をすることで税金を取り戻せたり、将来の税金を減らせたりするメリットがあります。
1) 損益通算(その年に他の口座で利益がある場合)
複数の証券口座で取引している場合、利益と損失を相殺できます。
例:
A証券(特定口座・源泉徴収あり):+30万円の利益 → 税金約6万円が引かれている
B証券(特定口座・源泉徴収あり):−20万円の損失
→ 確定申告をすると、30万円 − 20万円 = 10万円が課税対象となり、約4万円が還付されます。
2) 繰越控除(翌年以降に利益が出る可能性がある場合)
年間で損失が出た場合、その損失を翌年以降3年間繰り越すことができます。
例:
2025年:−50万円の損失 → 確定申告をしておく
2026年:+30万円の利益
→ 2025年の損失を繰り越せるため、2026年の30万円の利益は非課税になります(残りの−20万円は2027年、2028年まで繰り越し可能)。

確定申告の方法と期間
確定申告の期間(令和7年分)
申告期間: 2026年2月16日(月)〜3月16日(月)
還付申告: 2月13日(金)以前でも提出可能
確定申告の方法
1) e-Tax(オンライン): 自宅から24時間申告可能
2) 郵送: 所轄の税務署に確定申告書を郵送
3) 税務署の窓口: 確定申告期間中は混雑するため、事前予約を推奨
必要な書類
年間取引報告書(証券会社から交付)
源泉徴収票(給与所得者の場合)
マイナンバー確認書類
本人確認書類
口座タイプの選び方
初心者・手間を省きたい方
→ NISA口座 + 特定口座(源泉徴収あり)
給与所得者で年間利益が20万円以下の方
→ NISA口座 + 特定口座(源泉徴収なし)
複数の証券会社で取引する方
→ 特定口座(源泉徴収あり)+ 確定申告で損益通算

自分は確定申告が必要?どこに問い合わせればいいの?
「自分が確定申告の対象かどうか分からない」と思ったとき、どこに相談すれば良いのでしょうか。
税務署への相談(無料)
相談できる内容
・自分が確定申告の対象かどうか
・必要な書類は何か
・損益通算・繰越控除の適用方法
・具体的な税額の計算
・配当所得の課税方式の選択
相談方法
電話:国税局電話相談センター(平日 8:30〜17:00)
窓口:所轄の税務署(事前予約を推奨)
オンライン:確定申告書等作成コーナー、タックスアンサー
持参するもの
年間取引報告書、源泉徴収票、マイナンバーカード
税理士への相談
地域の税理士会が実施する無料相談会や、有料での個別相談も利用できます。
税務に関する主要な問い合わせ先URL
国税庁の相談窓口
・税についての相談窓口
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/shirabekata/9200.htm
・電話相談センター
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/sodan/denwa-sodan/index.htm
確定申告書の作成ツール
・確定申告書等作成コーナー(令和7年分)
https://www.keisan.nta.go.jp/kyoutu/ky/sm/top
・令和7年分 確定申告特集
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/shinkoku/tokushu/index.htm
所轄税務署の検索
・地図から管轄税務署を調べる
https://www.nta.go.jp/about/organization/access/chizu.htm
税理士会の無料相談窓口
・日本税理士会連合会
https://www.nichizeiren.or.jp/
・税務相談室
https://www.jtri.or.jp/counsel/
証券会社が確定申告の詳しいことを教えられない理由
「証券会社に聞いても、確定申告のことは教えてもらえなかった」という経験はありませんか?
実は、これには明確な理由があります。
理由1
税理士法による制限
証券会社の社員は、税理士資格を持たない限り、税理士法第52条により、税務相談、確定申告書の作成代行、具体的な税額計算が禁止されています。
違反した場合、2年以下の懲役または100万円以下の罰金が科される可能性があります。
理由2
証券会社の提供範囲は「一般情報」のみ
証券会社が提供できるのは、特定口座と一般口座の違い、年間取引報告書の見方、NISA口座の非課税制度の概要など、一般的な情報に限られます。
「あなたは確定申告が必要ですか?」という個別判断や、「どの書類を用意すれば良いですか?」という具体的なアドバイスは提供できません。
正しい相談の流れ
ステップ1
証券会社で年間取引報告書の見方など一般情報を確認
ステップ2
年間取引報告書、源泉徴収票、マイナンバーカードを持って税務署または税理士へ相談
まとめ
株式投資や投資信託で利益が出たときの税金と確定申告について、押さえておきたいポイントをまとめます。
・譲渡所得(売却益)には20.315%の税金がかかる(申告分離課税)
・配当所得は原則20.315%だが、課税方式を選択可能(総合課税を選ぶと有利な場合も)
・譲渡所得と配当所得は所得分類が異なり、確定申告や税計算の考え方が異なる
・NISA口座は非課税、確定申告不要
・特定口座(源泉徴収あり)は基本的に確定申告不要
・確定申告が必要(義務)なのは、特定口座(源泉徴収なし)または一般口座で利益が出たとき
・損失が出たときは確定申告は義務ではないが、損益通算・繰越控除を活用すれば税金を取り戻せる
・配当所得については、総合課税を選択することで節税できる場合がある(課税所得約695万円以下が目安)
・証券会社は一般情報のみ提供可能、個別の税務相談は税務署または税理士へ
確定申告は難しく感じるかもしれませんが、国税庁の「確定申告書等作成コーナー」を使えば、画面の指示に従って入力するだけで簡単に作成できます。
わからないことがあれば、税務署や税理士に相談しながら、正しく申告を行いましょう。
出典一覧
国税庁『株式・配当・利子と税』
https://www.nta.go.jp/publication/pamph/koho/kurashi/html/04_5.htm
国税庁『令和7年分 確定申告特集』
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/shinkoku/tokushu/index.htm
国税庁『上場株式等の配当等に係る申告分離課税制度』
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1331.htm
国税庁『配当金を受け取ったとき(配当所得)』
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1330.htm
国税庁『株式等を譲渡したときの課税(申告分離課税)』
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1463.htm
金融庁『NISA特設ウェブサイト』
https://www.fsa.go.jp/policy/nisa2/know/index.html
日本証券業協会『2024年以降のNISAに関するQ&A』
https://www.jsda.or.jp/shijyo/seido/tax/2024nisaqa.html
政府広報オンライン『「NISA」って何?わかりやすく解説』
https://www.gov-online.go.jp/article/202401/entry-5555.html
日本税理士会連合会
https://www.nichizeiren.or.jp/
注意事項・免責事項
【本記事の位置づけ】
この記事は、株式投資および投資信託に関する税金の一般的な情報を、教育目的で提供するものです。
【本記事の制約】
本記事の内容は参考情報であり、正確性・完全性を保証するものではありません。
税制は改正される可能性があり、最新情報は国税庁ホームページ等でご確認ください。
本記事は特定の金融商品の勧誘や税務アドバイスを目的とするものではありません。
【投資に関するリスク】
投資にはリスクがあり、元本割れの可能性があります。投資判断はご自身の責任で行ってください。
【税務に関する最終判断】
確定申告が必要かどうか、税額の計算方法、どの申告方法が有利かといった判断は、収入状況やご家庭の事情によって大きく異なります。そのため、具体的な対応については以下の窓口に相談ください。
・所轄の税務署(国税局電話相談センター)
・税理士
なお、本記事の情報をもとに行った判断や行動によって生じた損害について、当方では責任を負いかねますので、あらかじめご了承ください。
税金の仕組みは少し複雑ですが、「知らずに損をする」より「正しく理解して判断する」ことが大切です。
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