春の引越しシーズン!住居費見直しで削減インパクトが拡大
Mar 24, 2026
住居費は、家計の"最大の固定費"
毎月の家計の中で最も削減インパクトが大きい費目、それが「住居費」です。
家計の消費支出のなかで、住居費は「毎月必ず発生する固定費」として大きな比重を占めます。
実際に賃貸に住む世帯では家賃が月々の収入の大きな割合を占め、国土交通省「令和6年度住宅市場動向調査」によると三大都市圏の民間賃貸住宅の平均月額家賃は約7.8万円(首都圏では約8.3万円)。
持ち家でローン返済中の世帯では、住宅の種類によって月10万〜15万円前後の返済負担が続きます。
食費や光熱費と異なり、住居費は毎月の努力では削りにくいものの、一度見直せばその効果が継続的に家計を助けてくれます。
50〜59歳の勤労者世帯の月平均消費支出は359,951円、60歳以上では308,660円(いずれも2人以上世帯のうち勤労者世帯)。
住居費はその中でも最大クラスの比重を占めており、ここを見直すことで家計全体への効果は他の費目とは比較になりません。
3〜4月は引越しシーズンの最盛期。
世の中が「住まい」に注目する今こそ、賃貸・持ち家それぞれの視点から、住居費を見直す絶好のタイミングです。

【賃貸の方向け】家賃削減の3つのアプローチ
① 現在の家賃が相場と比べて適正かどうかを確認する
まず、SUUMO・HOME’S・アットホームなどの不動産ポータルサイトで、現在住んでいる地域・間取り・築年数が近い物件の家賃を調べてみましょう。
アットホームの2026年1月調査によると、全国主要都市でマンション・アパートの家賃は上昇傾向が続いており、東京23区のシングル向き賃貸は20カ月連続・大阪市は18カ月連続で2015年1月以降の最高値を更新しています。
一方で、同じエリアでも物件によって価格に差がある場合も多く、「現在の家賃が相場より5〜10%以上高い」ことが確認できれば、家賃交渉の材料になります。

② 家賃交渉は「閑散期×根拠あり」が鉄則
家賃交渉は入居中でも可能です。
成功しやすい条件は以下の通りです。
⚫︎空室期間が2ヶ月以上続いている物件(オーナーが空室解消を優先したい状況)
⚫︎引越しシーズン終了後の5〜8月(閑散期で貸し手に余裕が生まれやすい)
⚫︎長期入居中で周辺相場が下がっているケース
⚫︎近隣の同条件物件の家賃データを提示できる場合
強引に迫るのは逆効果です。
「長く住み続けたい」という姿勢を前提に、データを根拠として丁寧に申し出ることが基本です。
月3,000〜5,000円の値下げに成功した場合、年間では3.6万〜6万円の節約効果が期待できます。

③ 引越しを検討するなら「閑散期」に・初期費用も見直す
やむを得ず引越す場合、タイミングが費用に大きく影響します。
SUUMO引越し見積もり調査(2026年版)によると、繁忙期(2〜4月)と通常期(5〜1月)の差は、単身で約2万〜2.8万円、家族では3万〜10万円以上になります。
また、賃貸初期費用は一般的に家賃の4〜6ヶ月分が相場ですが、礼金・敷金ゼロ物件やフリーレント物件を選ぶことで圧縮できる場合があります。
UR都市機構の賃貸住宅は、礼金ナシ・仲介手数料ナシ・更新料ナシ・保証人ナシという仕組みで、長期的な住居コストを抑えやすい選択肢のひとつです。また、一定所得以下の高齢者世帯向けには「高齢者向け優良賃貸住宅(高優賃)家賃減額制度」があり、家賃が最大20%・最長20年間減額される制度も設けられています(所得条件あり)。

【持ち家の方向け】住居費削減の3つのアプローチ
① 住宅ローンの借り換えを検討する
住宅ローンを組んでいる方にとって、借り換えは最もインパクトの大きな住居費削減手段のひとつです。
2026年3月時点の金利動向としては、主要金融機関の変動金利(最優遇)は0.6〜0.7%台で推移しており、一部の金融機関では1%台に達するケースも出始めています。
10年固定金利は主要銀行で2.3〜2.9%台が中心です(リクルート「住宅ローン変動金利ランキング」・住まいサーフィン「2026年3月最新 住宅ローン金利動向」等より)。
借り換え効果が出やすい目安は次の通りです。
⚫︎現在の金利と借り換え先の金利差が0.3%以上
⚫︎ローン残高が2,000万円以上で、残返済期間が10年以上
⚫︎借入初期など、まだ利息負担が大きい段階
借り換えには事務手数料・登記費用・保証料・印紙税などで約20〜40万円の諸費用が発生します。
「総返済額の減少額 > 諸費用」となるかどうかが、借り換えの判断軸です。
条件が整えば、数十万〜数百万円単位の節約になるケースもあります。
また、50代以降は年齢が上がるほど健康状態の審査リスクも高まるため、借り換えを検討する場合は早めの確認が重要です。
なお、各金融機関のシミュレーションツールを活用することで、自分のローン条件での試算を無料で確認できます。
⚠️ 住宅ローンの借り換えは金融商品に関わる判断です。
具体的な内容については、各金融機関や公正なFP(ファイナンシャルプランナー)にご相談の上、ご自身の判断で進めてください。

② 維持費(火災保険・修繕費)を見直す
持ち家の場合、住宅ローン返済以外にも毎年かかる「維持費」が家計に積み重なります。
LIFULL HOME’Sのシミュレーションによると、一戸建ての年間維持費は約50万円前後(月換算で約4万円)が目安。
内訳は固定資産税・都市計画税・修繕費・火災保険料・自治会費などです。
火災保険の見直しは比較的取り組みやすい節約策です。
2022年10月の改定で最長契約期間が10年から5年に短縮され、参考純率も平均10.9%引き上げられました。
現在は長期契約(5年)の方が1年契約より年間あたりの保険料が割安になります。
加入中の保険の内容・期間・補償範囲を今一度確認し、複数社の見積もりを比較することで、保険料の適正化につながる場合があります。
修繕費の積立についても確認が必要です。
一戸建てでは30年間で600〜800万円程度の修繕が必要とされ、年間20〜30万円の積み立てが目安とされています(LIFULL HOME’S調査)。マンションにお住まいの方は、管理組合の修繕積立金の状況も確認しておきましょう。国土交通省の調査では、全体の3割超のマンションで修繕計画に対して積立金が不足しているとされており、将来的な一時金徴収のリスクがあります。

③ ライフスタイルに合わせた「ダウンサイジング」を視野に入れる
子どもが独立し、夫婦2人や単身になった50〜70代の方の中には、広い持ち家を維持し続けることで固定資産税・光熱費・修繕費が割高になっているケースも少なくありません。
コンパクトな住まいへの住み替えを検討することで、毎月の光熱費や将来の修繕費を同時に抑えられる可能性があります。
また、現在の自宅を売却して資金を確保し、老後の生活設計に充てるという選択肢も視野に入ります。
住宅ローンを新たに組む場合は、60代以降よりも50代のうちに動く方が審査上の余裕も生まれやすいとされています。

50〜70代ならではの視点:住まいの見直しは「老後の設計」と一体で
この年代にとって、住居費の見直しは単なる「節約」にとどまりません。
退職・収入の変化・子どもの独立・親の介護といったライフステージの変化が重なるこの時期に、住まいのサイズ・立地・コスト・安全性を整理しておくことは、老後の家計を守るうえで重要な判断です。
賃貸の方は、高齢になるほど新規契約が難しくなる傾向があるため、60代のうちに生活しやすい住まいを確保しておくという視点も大切です。
持ち家の方は、ローン完済後も維持費が継続することを念頭に、収支バランスを見直す時期として捉えてください。

まとめ
今月できる4つのチェック
✅ 賃貸の方:現在の家賃が周辺相場と比べて適正かを確認する
不動産ポータルサイトで同条件の物件を検索し、家賃水準を比べてみましょう。
✅ 賃貸の方:引越し予定があるなら5月以降の閑散期を検討する
繁忙期を1〜2ヶ月ずらすだけで、単身でも数万円の差が生まれる可能性があります。
✅ 持ち家の方:住宅ローンの金利と残高・残期間を確認し、借り換えの余地を試算する
各金融機関のシミュレーションツールで無料試算が可能です。
✅ 持ち家の方:火災保険の契約期間・補償内容・保険料を見直す
2022年の改定後に契約内容が最適化されているか、この機会に確認を。
住居費は一度見直すと毎月・毎年にわたって継続的な効果が期待できる費目です。
引越しシーズンを「住まいの棚卸し」の機会ととらえ、ご自身の状況に合ったアプローチで点検してみてください。
【注意事項】
本記事の情報は2026年3月時点のものです。家賃相場・金利・制度・保険料率等は変更される場合がありますので、最新情報は各公式サイトでご確認ください。住宅ローンの借り換えは金融商品に関わる重要な判断であり、本記事は特定の金融商品・サービスの勧誘を目的とするものではありません。具体的な判断は各金融機関または専門家にご相談ください。
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